鍼灸

鍼灸と聞いてみなさんはどんなイメージをもたれるでしょうか。
なんとなくイメージが沸く方も、全く沸かない方もいらっしゃると思います。
西洋医学が現在のように発展するまで、大昔の私達の祖先は、色々な手段を使って体を治そうと試みてきました。比較的近い最近では、湯治といって湯宿に何日か籠り、温泉の温かさを利用して体の流れを整えようと試み、もっと昔に遡り石器時代では、石器を細く鋭利に研ぎ、その石器を使って体にできた膿を排出する事から鍼の歴史は始まりました。

私が鍼灸学校時代、使用していた教科書には、鍼術の定義と灸術の定義が記載されていますので、ご紹介しておきます。

鍼術の定義
鍼術とは、一定の方式に従い、鍼をもって身体表面の一定部位に、接触または穿刺刺入し、生体に一定の機械的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し、保険および疾病の予防または治療に広く応用する施術である。
灸術の定義
灸術とは、一定の方式に従い、艾を燃焼させ、またはこれに代わる物質を用いて、身体表面の一定部位に温熱的刺激を与え、それによって起こる効果的な生体反応を利用し、生活機能の変調を矯正し、保険および疾病の予防または治療に広く応用する施術である。
公益社団法人東洋療法学校協会編
教科書執筆小委員会著
『はりきゅう理論』株式会社医道の日本社.

いろいろややこしそうですね。
理論は確かにあります。
それをしっかり証明していくことで、鍼灸がもっともっと社会に認められていくのではないかと思います。
ただ、私は思うのです。
やっぱり、実験やデータでは証明できないものもあるんじゃないかなあ…
みなさんの中で、子供の頃熱が出た時にお母さんからおでこに手を当てられた経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか。最近は、体温計も非接触型が増えてきていますので、そんなことも少なくなってきているのかもしれませんが。
“手当て”。
手を使って治療に当たる。
これはやっぱりどんな高度な医療より、患者さんの心が一番ほぐれる技なのではないかと思います。
これってすごい事だと思います。
私はみなさんの病気を治せませんしそんな技術もありません。
ですが、私はこの手を使ってみなさんの体に触れ、鍼をそっと体に忍ばせ、お灸で体に力を足します。
私にできることと言えば、“手当て”ぐらいなのです。
ですが、私はその“手当て”を命の限り、全力で行いたいと思っています。
人の力が全力で人に対するのですから、それはもうきっと壮絶な戦いになるかと思います。笑
柿の木レディースこども鍼灸院でできることはそのぐらいですが、よければおいでになって下さい。
この“手当て”こそが何よりも勝る。
私は、そう信じ、今日も変わらず鍼を持ち、灸をすえたいと思います。

― お灸のみ 302,000(税込) ―

鍼灸に興味があるけれど、やっぱり鍼は不安。
そんな風に思われる方も多いと思います。
私もそうでしたから。

お灸の良さは、何といってもその“熱”にあります。
私が好きなのは、ふわっと体に“熱”が足される補法のお灸。
お灸には(鍼も同じ)補法と瀉法があります。
補法とは体に足りない“気”を、体に足してやる手法です。
気は、まず“陽”に分類されます。(東洋療法的には、今世でお父さんとお母さんからもらったこの命が費える時、地上に残るもの=血、津液(リンパ液や細胞外液、関節包内の滑液など)の事を陰とし、消えてなくなるもの=気を陽としています。)
『気は血の師であり、血は気の母である。』(難経)
と古典にもあるように気が動けば血も動き、みなさんも一度は耳にしたことがあるかもしれない“瘀血”が流れ、瘀血は万病の元とされますので、様々な疾患の改善に有効であると考えられています。
気は、有り余る場合もあります。
“血気盛ん”そんな言葉がありますね。
体は重たいものですが、この体は全て“気”が動かしています。蒸気機関車が重たいのに石炭で動く。そんなイメージです。(わかりにくかったですね。重たい…と言うことを伝えたかったです。)
気が多いとたくさん動けていいじゃないか。と思われる方もたくさんいらっしゃると思うのですが、体は変わらないので(むしろ年々劣化しますし、ケアしていない体ではなおさらです)きしむ体にどんどん動けよ。と命令を出すので体が壊れてくるわけです。
そんな時には、瀉法といって、チカッと感じる熱さの熱を体に一瞬入れてやります。
そうすることで、気の流れの調整をするわけです。
このチカッが、また熱い。正直に書きますと、大変熱いです。私はいつも歯を食いしばりながらお灸をすえてもらいます。誰かを殴りたくなるほどです。←これが私の本証なのかな(わざと本性ではなく、本症と書きました。理由はまたいずれ…)
私は鍼灸の学校に入るまでは、お灸なんて、なんで国家資格がいるんやろ。なんて思っていました。いざ入ってみると、灸がめちゃめちゃ難しい。そして、火傷のリスクがいつも付きまといます。ですが、私のお師匠さん(未認可)は、「難治になればなるほどお灸は絶対ぞ。」と言います。実際、先生の足はご自分で治療されたお灸の痕がたくさん残っています。
私は、痕が残る程のお灸は、見た目も何も気にしないでいいほど、とにかくこの病気をなんとかしてくれ。とそんな最期の段階で行いたいと思っています。
ですが、チカッは感じてもらわないと瀉法にはならないので、みなさんには頑張ってもらいます。
あ、そう考えたら鍼の方が痛くないかも!笑
補法はできるだけ、優しく優しくお灸の熱を体に移します。
弱っている臓腑に関連するとされる経穴にふわっとお灸を据えます。
そして、その流れを促してやるのです。

どちらにせよ、日々、みなさんの体は変わっていますので、その日の問診、舌診、脈診、腹診を行った後に施術に移ります。
みなさんが嫌に思うことや不安に思うことはしませんので、遠慮なくご相談下さい。
お金を払うみなさんが我慢する鍼灸院なんて、嫌ですからね。

― 鍼灸 452,500(税込) ―

― 鍼灸 754,000(税込) ―

「鍼灸45分コース」「鍼灸75分コース」は合わせてお話いたします。
このコースこそ、みなさまに受けていただきたい。それがこの、鍼灸45分コースと鍼灸75分コースです。
流れは同じです。
その日の問診、舌診、脈診、腹診を行います。
そしてその日の状態に応じて配穴を決め(ツボを決め)、鍼や灸を使い分けながら施術を行います。
鍼灸院には、様々な方がお見えになります。
脳卒中を患い、片麻痺で悩まれている方。
年中、手汗が止まらず、ハンドルもろくに握れない方。
ただただ、やる気がでない方。
アトピー症状で長く悩まれている方。
本当に様々です。
アトピーにはこのツボ。
と言われているものは、確かにあります。ですが、それはまだ証明されていません。
それに、たくさんの人がいる中で、そのツボをつかったら良くなるなんて…
そんなことあるでしょうか。
あの先生は片麻痺が治せるよ。そんな方もいらっしゃるかもしれませんが、私は治せません。

全て、病気を治すのはみなさんの力だからです。
みなさんが、みなさんの力で病気に打ち勝たなければ誰も治してはくれません。

病気になっているということは、疾患の力(邪気)とみなさんの力(元気)の配分が、大きく疾患の力に傾いてしまっているという事。
柿の木レディースこども鍼灸院では、『〇〇に効くといわれているから。』と言われているいわゆる“ツボ”に鍼や灸はいたしません。そんな単純なものでないからです。
同じアトピー疾患でも、体が違えば処置穴が違うのは当然なのです。

ぜひ、柿の木レディースこども鍼灸院の鍼灸を受けてみてください。
多く、難治症と言われている方は、鍼灸院にたどり着く前に多くの医療機関で目が飛び出るほどの医療費を使っています。
例えば、関節リウマチ。
関節リウマチに係る毎月の治療代の高さを私は知っています。
だからこそ、ベースとなる足りない力を補う補法をメインとした鍼灸治療は、できるだけ安く。と45分で2500円としました。できるだけみなさんの負担を抑えたかったのです。それでも高いですよね。理解しています。すみません。
45分コースは主に陰経(お腹側)の補法がメインです。もっとしたいのですが、これ以上長くなるとお金がかかります。できるだけコストを抑えたギリギリのラインで、とにかく鍼灸がみなさんの健康のとっかかりになっていただけるよう考えました。
75分コースは、陰経(お腹側)の補法と陽経(背中側)の調整を行います。
鍼灸治療では、補法でみなさんの力を足してあげることが大切です。
それができれば、あとはみなさんがご自分の力で何とか病気に立ち向かっていけるからです。
ですが、通常の流れと違っている病気となった体は、排水溝が詰まっていたり、過剰に物質が溜まってしまって、正規の流れを阻んでいる場合も多いのです。
そんな時には、せっかく自分の気を補法によって足したのに、今ある余分なものを処理するだけで、その足した力を使ってしまうかもしれません。
そこで、背中側の鍼もすることで、余計なものを軽い瀉法で取り払って、補法によって足したみなさんの元気を、純粋に疾患に立ち向かうパワーとして使っていただけたらと思います。それが鍼灸の75分コースです。
ですが、45分コースにしろ、75分コースにしろ、鍼灸は高いものです。ぜいたく品だと思います。ですから私は、どちらのコースでも必死で施術に当たります。
私は思うのです。
病気は誰にでも起こるものだけど、お医者さんが無常にその病名を告げる。その瞬間からその方の人生に、病名が張り付きます。朝起きてご飯を食べている時も、テレビを見ている時も、寝ている時も、病名を告げられたその瞬間から、その方の人生はまるっきり違った世界に放り込まれるのです。
不安でいらっしゃいますよね。
何かしていないと、不安で不安でしょうがないですよね。
わかります。
私は、その気持ちを知っています。
だからこそ、みなさんが鍼灸を受けてくださっているその間だけでも、みなさんに張り付いた重たい病名を忘れてもらいたいと思うのです。
“気が楽になる”
その結果こそが、鍼灸の最大の効果ではないかと思っています。
気が楽になるのにお金は関係ありません。
安いから気が楽になる量がちょっとしかない。なんてこと、絶対にないですから。笑
とにかく、安心して柿の木レディースこども鍼灸院においでくださいね。
柿の木レディースこども鍼灸院にくれば、少し気が楽になる。そんな場所でありたいと思います。

美容鍼を足される場合は、それぞれのコースに+税込1000円(15分)を頂戴します。